2024/07/22 17:37
ドライフラワーは運気を下げる?
ドライフラワーは「枯れた花・死んだ花」だから、部屋に飾ると運気を下げると言われることがあります。
その一方で、ヨーロッパなどでは魔除けや幸運を呼び込む縁起のよいアイテムとされています。
いろんなとらえ方があると思いますが、わたしは、ドライフラワーは運気を下げる不吉なものではないと思っています。
そう思う理由はふたつ。
ひとつは、そもそもドライフラワーは「枯れた花・死んだ花」ではないと思うからです。
ドライフラワーの作り方の基本は、まずしっかりと「水揚げ」をして、
花びらや葉っぱの先まで十分に水を吸わせてから乾かすこと。
枯れそうな花を乾かしているのではなく、「生き生きとした元気な花」を乾かしています。
その状態からうまく水分を抜くことで腐敗から守り、
美しさを1日でも長く留めようとしたものがドライフラワーなのです。
ドライフルーツも運気を下げる?
では、ドライフルーツならどうでしょうか。「枯れた果物・死んだ果物」だから縁起が悪いと思うでしょうか。
食品を干して乾かし、保存しながらおいしく食べる。それは大昔から世界中で行われてきた生活の知恵。
干ししいたけに干し柿、高野豆腐に切り干し大根、ひじきや海苔、魚の干物に干し肉もそうですよね。
ただ保存性が高まるだけでなく、風味や栄養が増して用途が広がるなど、
生のものにはない特徴が生まれるのも「干して乾かす」ことの効用。
そんな知恵を草花に用いたのが、ドライフラワーなのだと思うのです。
写真:K8(Unsplash)
茅葺き屋根の材料もドライフラワー?
もうひとつの理由は、わたしたちはすでに、乾燥させた草木を当たり前のように生活に取り入れ、
役立ててきているということです。
たとえば、古民家などに見られる茅葺き屋根。古くは縄文、弥生時代の竪穴住居の屋根も茅葺きでした。
今も白川郷や大内宿などには茅葺き屋根の建物が大切に残されていますし、神社の社殿にもよく見受けられます。
そんな茅葺き屋根の材料は?というと、ススキや葦(ヨシ)などのイネ科の多年草を乾燥させたものです。
他にも、お正月に玄関先に飾るしめ飾りも、イネの茎を乾燥させた稲わらでつくられています。
もしも乾燥した草木が運気を下げるのなら、何千年もの昔から屋根の材料として使い続けられたり、
1年の幸せを願う縁起物に用いられたりするはずがないと思うのです。
お手入れが簡単で、長く楽しめる。生花とは違った魅力でインテリア性も高いドライフラワー。
ぜひ、安心して楽しんでくださいね。